「酸味が苦手」と言う方が来ることがあります。話を聞くと、たいてい「古くなったコーヒーの酸っぱさ」のことを指しています。それは酸化した酸味で、浅煎りの酸味とは別のものです。

酸味には二種類ある

コーヒーの酸味には、豆本来の有機酸(クエン酸、リンゴ酸など)と、酸化による劣化の酸味があります。前者は果物のような明るさがあり、後者は平板で不快です。新鮮な浅煎りを飲んだことがない方は、この二つを混同していることが多い。

産地と酸味の関係

エチオピア・イルガチェフェは、ベルガモットや白桃のような酸味があります。これは標高1,900メートル以上の高地で育つことと、水洗式の精製方法によるものです。コロンビア・ウイラは酸味が穏やかで、甘みが前に出ます。同じ「浅煎り」でも、産地によって全く異なります。

焙煎度と酸味の変化

焙煎が進むほど有機酸は分解され、酸味は弱まります。代わりに苦みと焦げの風味が増す。浅煎りは酸を残すための選択です。当店のイルガチェフェは、豆温度195度前後で止めています。これ以上進めると、この豆の個性が消えてしまう。

試し方

初めて浅煎りを飲む方には、まずイルガチェフェを試してもらいます。砂糖もミルクも入れずに、少し冷めてから飲んでみてください。温度が下がると酸味の輪郭がはっきりします。それが好みかどうか、そこから話が始まります。

酸味が苦手だと思っていた方が、イルガチェフェを気に入ってくれることがあります。一度試してみてください。